北陸新幹線の課題
(1)北陸新幹線

<着工優先順位の決定>
 整備新幹線の取扱いについては、全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和47年6月の基本計画、昭和48年11月の整備計画を前提とし、まず投資効果を考慮して時間短縮効果の高い区間から段階的に整備するという「運輸省案(当時)」により、昭和63年8月、「政府・与党申合せ」で着工優先順位が決定されました。

<本格着工スタート>
 その後、平成元年1月の「建設費の地域負担」や平成12年の「並行在来線のJRの経営からの分離」といった、既発の新幹線には全くなかった条件が整備新幹線に対して課されることとなったものの、北陸新幹線は、着工優先順位に基づき、平成元年の高崎・軽井沢間の着工以来、平成3年9月に軽井沢・長野間(フル規格)、平成4年8月石動・金沢間(スーパー特急方式)、平成5年10月には糸魚川・魚津間(スーパー特急方式)が、順次着工されました。

<新たな財源スキームの決定>
 平成8年12月の「政府与党合意」においては、新たな財源スキーム等が決定され、地方公共団体が、建設費総額の約3分の1を負担することになりました。

<北陸新幹線の一部開業と延伸>
 平成9年10月の高崎・長野間開業の後、平成10年1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、新規着工区間の着工優先順位が明らかにされるとともに長野・上越間が新規着工区間(フル規格)とされました。また、検討結果のなかで、北陸新幹線を福井までフル規格で延伸した場合、極めて大きな旅客需要が見込まれるとともに、大きな収支改善効果があることが明らかにされました。この検討結果を受け、平成10年3月には、長野・上越間が新たに着工されました。

<長野・金沢間フル規格整備及び福井駅部の整備決定>
 平成12年12月、「政府・与党申合せ」がとりまとめられ、長野・富山間が、フル規格により今後概ね12年強で完成を目指すこととされました。
 さらに、平成16年12月の「政府・与党申合せ」では、長野・金沢車両基地間が、一体的に平成26年度末の完成を目指すこととし、できる限り早期完成に努めることとされるとともに、福井駅部が平成20年度末の完成を目指すこととされました。この申合せに基づき、平成17年6月には、富山・金沢間(フル規格)及び福井駅部が着工されました。
 また、今後の整備新幹線の取扱いについては、必要に応じ随時見直しを行うこととされました。
 平成20年12月には、政府・与党ワーキンググループで、白山総合車両基地−福井間、及び敦賀駅部の平成21年末までの認可等について合意されました。
 民主党政権になって、この合意は白紙とされましたが、平成21年12月には「整備新幹線の整備に関する基本方針」等が決定され、建設中の区間については、「予定通りの完成・開業を目指して着実に整備を進める。」、また、未着工の区間については「早期に着工すべき区間を決定する。」とされ、整備新幹線問題調整会議などで検討が行われています。

<金沢・敦賀間の整備決定>
 平成20年12月には、政府・与党ワーキンググループで、白山総合車両基地−福井間、及び敦賀駅部の平成21年末までの認可等について合意されました。
 民主党政権になって、この合意は白紙とされましたが、平成21年12月には「整備新幹線の整備に関する基本方針」等が決定され、建設中の区間については、「予定通りの完成・開業を目指して着実に整備を進める。」、また、未着工区間については「早期に着工すべき区間を決定する。」とされ、整備新幹線問題検討会議などで検討が進められることとされました。
 整備新幹線問題検討会議は、平成22年8月には、「整備新幹線の未着工区間等の取り扱いについて」を、同年12月には、「整備新幹線問題に関する今後の対応について」を決定し、未着工区間についてさらに詳細な検討を進めるとされました。
 平成23年12月には、「整備新幹線の取扱いについて(政府・与党確認事項)」がとりまとめられ、未着工区間については、安定的な財源見通しを確保した上で、「着工5条件」の残余の条件(収支採算性、投資効果、営業主体であるJRの同意、並行在来線経営分離についての沿線自治体の同意)を満たした上で、さらに各線区の課題について対応が示されていることを確認した際は 、認可・着工を行うとされました。
 その後、整備新幹線問題検討会議において、収支採算性と投資効果について改めて確認されるなど所定の条件が整い、平成24年6月に金沢・敦賀間の工事実施計画が認可され、8月に着工しました。

(2)同盟会の今後の取組み

<金沢以西の整備促進>
 平成26年度末までの確実な金沢開業はもとより、敦賀までの工期短縮、早期完成・開業に向け整備促進を図ること、さらに大阪までの一日も早い全線整備を目指して取り組んでいきたいと考えています。

<並行在来線>
 また、並行在来線については、新幹線開業後にJRから経営分離される予定であることから、沿線各県では、関係市町村や経済界等の協力を得ながら、並行在来線の維持を図っていく考えであり、並行在来線の運行や経営のあり方について協議、検討を進めています。
 また、同盟会としては、政府等に対し、並行在来線存続のため、地方負担の軽減、運行の在り方等について検討を進め、その運営を持続可能とする新たな仕組みを早急に講ずるとともに、既に経営が分離されている第3セクターへの経営支援のあり方(維持経費への助成措置など)を早急に検討するよう要請しているところであり、今後とも、その実現に向けて働きかけてまいります。

 北陸新幹線は、東海道新幹線の代替補完機能を有するとともに、日本海国土軸の形成や国土の均衡ある発展に不可欠な国家プロジェクトであり、広範囲にわたり人・物・情報等の交流を活発にし、沿線地域に飛躍的な発展をもたらします。
 北陸新幹線建設促進同盟会では、今後とも大きな経済効果と利用者便益をもたらす北陸新幹線の全線整備に向け、沿線各都府県や経済団体等と提携しながら、政府等関係機関に対し運動を展開してまいります。


■北陸新幹線に関する経緯
昭和42年12月 北回り新幹線建設促進同盟会結成
(昭和47年7月 北陸新幹線建設促進同盟会に名称変更)
昭和45年5月 全国新幹線鉄道整備法公布
昭和47年6月 基本計画決定
昭和48年11月 整備計画決定及び建設の指示
昭和49年7月 日本鉄道建設公団富山新幹線建設準備事務所設置
昭和57年3月 高崎・小松間環境影響評価実施のための駅、ル−ト概要公表
昭和57年12月 環境影響評価報告書案の公表
(高崎〜小松間372km)
昭和60年1月 小松・芦原温泉間環境影響評価実施のための駅・ルート概要公表
昭和60年12月 高崎・小松間環境影響評価
  〃   高崎・小松間の工事実施計画認可申請
昭和61年3月 長野、富山及び金沢の三駅において北陸新幹線駅周辺環境整備事業着手
昭和62年2月 芦原温泉・南越間環境影響評価のための駅・ルート概要公表
昭和63年8月 政府・与党申合せ(着工優先区間などを決定)
平成元年6月 高崎・軽井沢間認可(フル規格)
平成元年8月 高崎・軽井沢間着工(フル規格)
平成3年8月 軽井沢・長野間認可(フル規格)
平成3年9月 軽井沢・長野間着工(フル規格)
平成4年7月 新高岡・金沢間環境影響評価
平成4年8月 石動・金沢間認可申請、認可及び着工(スーパー特急方式)
平成5年9月 糸魚川・魚津間認可申請及び認可(スーパー特急方式)
平成5年10月 糸魚川・魚津間着工(スーパー特急方式)
平成7年4月 北陸新幹線富山駅整備調整事業認可申請及び認可
平成7年5月 北陸新幹線富山駅整備調整事業起工
平成8年3月 南越・敦賀間環境影響評価実施のための駅・ルート概要公表
  〃   小松・南越間の工事実施計画認可申請
平成8年12月 政府与党合意(新たな財源スキーム、新規着工区間など決定)
平成9年5月 全国新幹線鉄道整備法改正(財源スキームの見直し)
平成9年10月 高崎・長野間開業
平成10年1月 政府・与党整備新幹線検討委員会検討結果公表(新規着工区間の優先順位決定など)
平成10年3月 長野・上越間認可及び着工(フル規格)
平成11年12月 与党合意(長野・南越間を十数年でフル規格で整備することなど)
平成12年12月 政府・与党申合せ(長野・富山間をフル規格で整備し、概ね12年強後の完成を目指すことなど)
平成13年4月 上越・富山間認可(フル規格)
平成13年5月 上越・富山間着工(フル規格)
平成14年1月 南越・敦賀間環境影響評価手続き終了
平成16年12月 政府・与党申合せによる新たな財源スキーム(既設新幹線譲渡収入の前倒し活用等)及び着工区間の決定(富山・金沢車両基地間、福井駅部等)
平成17年4月 富山・金沢間(フル規格)、福井駅部認可
平成17年6月 富山・金沢間(フル規格)、福井駅部着工
平成17年12月 南越・敦賀間工事実施計画認可申請
平成18年4月 白山総合車両基地認可
平成20年12月 政府・与党ワーキンググループで合意(白山総合車両基地−福井間、及び敦賀駅部の平成21年末までの認可等について合意)
平成21年2月 福井駅部完成
平成21年12月 整備新幹線問題検討会議等の設置
平成21年12月 整備新幹線の整備に関する基本方針等決定
平成22年8月 整備新幹線の未着工区間等の取扱いについて決定
平成22年12月 整備新幹線問題に関する今後の対応について決定
平成23年12月 政府・与党合意(未着工区間について「着工5条件」の残余の条件が満たしたこと等確認の後、認可・着工すことを合意)
平成24年6月 金沢・敦賀間工事実施計画認可
平成24年8月 金沢・敦賀間着工